【INC February 1位】サマヨミロナット
INCお疲れ様でした。
本ロム:最終1849 / 戦績26-1 / 最終1位
サブロム:最終1830 / 戦績 30-5 / 最終36位
で予選抜けを決めることができました。本ロムの勝率に関してはマッチング運や対戦中の運に上手く救われた結果だと思います。
今回使用した構築はサマヨミロナットです。新しいアーキタイプとして定着してもいい程の安定感・強さを持っていると感じました。
(STRはSuper Trick Roomの略です)
【構築経緯】
●構築のスタート
まず現環境では追い風やダイジェットで素早さで有利をとる構築が多く見受けられたので、トリックルームを軸とした構築を組むことにしました。
というわけでトリル要員から構築作成するわけですが、中でもは圧倒的な耐久力と特性:お見通しにより立ち回りで優位に立てると考えました。
は進化の輝石を持つことで圧倒的な耐久力を誇り、集中されたとしても倒されにくい優秀なトリル要員。しかしトリル軸の構築を作るのですから、トリル展開できないと盤面的に不利になる弱点がありました。トリル展開が失敗する要因は主に以下の3つです。
1.ダイマックス(以降DM)の弱点技+強力な技で集中され耐えきれない。
2.封印持ち、挑発持ちを相手にしたとき。
3.岩雪崩×2等で怯まされる。
以上の3つを考慮したとき、とDMエースを並べれば相当強力であると考えました。1に関してはサマヨールを倒そうとするターンにこちらのDMエースで相手のDMエースを倒せば残数は同じと言えどDMが残っているこちらが有利です。
2に関して、封印持ちはDMエースで倒してしまえばok(襷ならサマヨールの攻撃も重ねればよい)。挑発持ちのみ少々厳しいですが、挑発ターンに場を荒らせれば対戦に勝つ可能性が高くなります。
3に関してはDMが怯まない仕様を利用し、相手が貧弱な技を打っている間にDMエースで暴れれば有利になれるはずです。
以上を踏まえ、誰をDMエースをするか、時間もかからずに決まりました。まずサマヨールの弱点をつけるDM技はゴースト/悪といずれも能力を下げる効果があります。ミロカロスは特性:かちきなのでそれを利用し、弱点を突けばDMポケモンでさえ一撃で倒せる火力を手にいれることができます。
またDMエースは基本的にバクア/鬼火といったデバフをかけられ置物になることが弱みですが、ミロカロスはそういった技に怯える必要がありません。更に単水なので弱点を突かれにくく、他のかちきと違って高耐久なのでDMターン中に突破される可能性はかなり低いです。唯一ゴチルゼルが似たような役割を持てますが、苦手な相手がサマヨールとほぼ被るので選択肢から外れました。
サマヨールがトリル展開できず倒された場合について考えていきます。トリル展開できないとミロカロスが上から殴られ続ける状況になり、盤面的には不利になっていると考えられます。
ここで、2匹目のトリル要員を採用することを思いつきました。
サマヨールを倒されたということは恐らく相手が悪/ゴーストのDM技を打ったということで、それはミロカロスのCが二段階上昇している状態を意味しています。サマヨールが倒れた後再びトリル要員を出すことで、ミロカロスへのヘイトを自身に向けミロカロスが暴れられるターンを増やせます。そしてミロカロスが生き残りトリルも決まれば、ほぼ対戦に勝利したといっても過言ではありません。
二匹目のトリル要員には、サマヨールの次に信頼しているにしました。特性:化けの皮は実質相手の技を一回だけ1/8ダメージで抑えるという効果を持ち、元々の耐久も相まってトリルを決められる可能性がかなり高いです。
また先制技の影打ちを有しており、ミロカロスが微妙に倒しきれなかった相手を縛ることができる点も評価は高いです。
ここまでの3匹全てがトリルを展開する、あるいは利用するポケモンなので、4匹目もトリルエースを用意すれば綺麗なガチトリルになるのではないかと考えました。
とりあえずミロカロスが苦手なトリトドンに圧倒的に強いポケモン...草タイプが思い浮かび、DM権を渡さなくても強いポケモンを探した結果に決定。
一応他にもアップリューやダダリン、アマージョ等遅い草タイプは大体候補にあがりましたが、トゲキッスへの打点の有無で決まりました。
トゲキッスはどんな構築にもスムーズに組み込まれるため、このポケモンに対して隙を見せたくないというのが個人的にあり、多くの遅い草ポケはこの条件を満たせません。(ダダリンは確かにこの条件を満たしますが、基本選出でタイプ被り3体になってしまうので却下)
またナットレイはミロカロスとの相性が最高で、ナットレイが苦手な炎タイプや特性:威嚇にミロカロスが圧倒的に強く、またミロカロスがDM水技を打つことで天候を雨にし、ナットレイの炎弱点を4倍から2倍に抑えることができます。逆にミロカロスからの打点が乏しい水タイプにナットレイは圧倒的に強いです。
●取り巻き:ウインディ+ドラパルト
サマヨミロナットミミッキュの4匹はかなりスムーズに決まりましたが、残り2枠で相当悩みました。模索の過程を簡単に記していきます。
相手のとぐろ催眠ミロカロスの処理が遅そうなので電気タイプトリルエースのクワガノン、エルフウインに勝てなさそうなので猫だましが使えるかつおまけで威嚇できるズルズキン。
結果:基本選出の4匹が強すぎて出番がほぼなかったので没。相手にミロカロスがいるからといってクワガノンが出せるとは限らない/ズキンは出してもパワーがなく押し負けてしまう。そもそもドラパウインを対策できていない。
・トゲキッス+バチンウニ
叩きウインを対策するにはこの指しかないと思いトゲキッス。バチンウニはエレキメイカーで催眠対策できて優秀そう。
結果:トゲキッスはそこそこ強かったがドラパとウインが見えた場合先発に出さなくてはいけない点に疑問(そもそも叩きじゃないケースが大半)。バチンウニは強い打点が電気しかないし耐性が皆無で、耐久も高いとは言えないので候補から外れた。
この型のキッスならラム神秘で催眠を対策し指で叩きウインを対策できるので今の課題を多く解決しつつ、ラス枠の自由度を上げられると考えた。ヌメルゴンはダイサンダーでキッスを出さない場合でも催眠を対策できるポケモンかつ、ロトムキッスに安定して出せそう。
結果:キッスは元々のスペックがあるのである程度の強さはあったがパワーがなくやはり疑問。ヌメルゴンは火力が乏しく構築との相性が悪かった。
・ウインディ+イエッサン
イエッサンはキッスの役割を引き継ぎつつ、PFを展開し相手の悪戯心ポケの脅威を抑えられると考え試用。ウインディは威嚇を撒き構築全体の物理耐久を補強する他、ミロカロスのサポートができそうと思いチョイス。
結果:イエッサンは悪くなかったが耐久が低く、ポケモン数で有利をとられやすい。ウインは使用感こそよかったが、威嚇さえ撒けばサポートは十分であると感じた。
サポート型ウインではパワーが足りないと感じ鉢巻で回してみると予想以上に構築にマッチし、先発ミロサマヨ 後発ウインナットのようなスイッチ選出もでき選出の幅も広がったので採用を確定した。
・ウインディ+ドラパルト
以上5匹の段階でまず勝てそうになかったのがヒトム+バンギ+トドン。この3匹に強くかつ構築に合うポケモンを探すためドラパルトを試したところ、絶妙に噛み合ってしまったためドラパルトに最終的に決定。
結局叩きウインにかなり不利な構築となってしまったが、使用者はかなり少ないのでマッチングしなければ問題ないと判断。また催眠対策はミロカロスにチャームボイスを解決することで解決。バタフリーに関しては眠らされる前にウイン等で倒すことで解決とした。
後付けにはなりますがドラパルトと鉢巻ウインは並べた時の制圧力が凄まじく、ダイホロウでBを下げつつ鉢巻ウインの火力を押しつけられるため、相手に大きなダメージを与えられます。
またミロカロス(とサマヨール)以外は物理アタッカーのため、ダイホロウのBダウンがそのまま構築全体のパワーを上げている点も強さの一つです。
【個別解説】
サマヨール @進化の輝石
特性:お見通し
性格:呑気
実数値:147-×-178-×-171-27(S個体値0)
努力値:252-0-92-0-164-0
技構成:トリックルーム / ナイトヘッド / 黒い霧 / 痛み分け
B:A172DMドラパルトの珠ダイホロウを最高乱数以外確定耐え
D:余り
◆役割
トリル始動要員その1。先発にミロカロスと並べて出すことが大半です。努力値調整はDM弱点技を一発耐えられればいいと考えていたので目安。
特性:お見通しは相手の型を判別し、初見殺しを防ぎやすくなることやプレイングで有利になれるという点で優秀。例えばバンギラスの持ち物が弱点保険でないと分かれば弱点突き放題です。
◆特徴的な技
・黒い霧
トリルをするターンに積技を使う相手が多く見受けられたので採用しました。中でもトリル対策として入ってくることがあるカビゴン、特に腹太鼓型に対して使用すると置物にできるので重宝します。またダイアース等で耐久を補強し、トリルターンを凌ごうという相手にも有効です。
・痛み分け
非常に強力な技で、中途半端に削られた場合に真価を発揮します。というのも相手とHPを分け合うということで自分のHPを回復しながら相手のHPを削ることができるのですが、サマヨールは極端にBDが高くHが低いポケモンですからその恩恵は絶大です。そしてHPを回復したなら、一回目のトリルターンが終了した後に再度トリル展開をできる可能性があるわけです。
ミロカロス @命の珠
特性:勝ち気
性格:冷静
実数値:199-×-103-167-145-77(S個体値0)
努力値:228-0-28-252-0-0
技構成:冷凍ビーム / 濁流 / マッドショット / チャームボイス
H:10n-1
◆役割
DMエース。トリル要員と並べるのが最も強いため、このポケモンを選出するときは100%先発です。常に殴り続けるのでHPは珠ダメ最小の10n-1とし、火力を最大まで高めました。
命の珠を持つことで確定数が変わる相手が多くいるというわけではありません。しかし勝ち気が発動しなかった場合でもパワーを押しつけ、サマヨのナイトヘッドやミミッキュの影打ちと合わせてできるだけ多くの相手を倒したいという理由で採用しました。
◆特徴的な技
・マッドショット
DM技にすることでジュラルドンへの有効な打点になる他、隣のサマヨールのDを上昇させ要塞化することもできます。DMが終わった後は相手のSを下げるために使用することもありました。
・チャームボイス
DM技にすることでMFを展開できます。DMの弱点の一つである欠伸/催眠術でDMターンを枯らされることがなくなるのはDMとしての圧力を維持でき強力です。DMが終わった後かつ命中を下げられていた場合は一応、安定択にはなりますが威力40なので選択することは滅多にないです。
ミミッキュ @リリバのみ
特性:化けの皮
性格:勇敢
実数値:162-156-100-×-126-90(S個体値0)
努力値:252-252-0-0-4-0
技構成:じゃれつく / ゴーストダイブ / トリックルーム / 影打ち
◆役割
トリル始動要員その2。サマヨールが倒れてから死に出しすることが多いので基本的には後発です。影打ちで縛れる範囲を広げたいことからAに252、トリルをするので素早さは遅い方が都合が良いと考え残りを全て耐久に回しています。
リリバのみは型破りドリュウズの前でも堂々と動かせるようになる為持たせました。また化けの皮が剥がれた状態でも、チョッキジュラルドンのダイスチル程度なら耐えることができます。
◆特徴的な技
守る貫通技のため読み合いを軽減できます。またミミッキュよりSが速い相手のみ並んでいる場合、トリル最終ターンに打つことで次のターンの終わりまで攻撃をもらわないといった使い方も可能です。
ナットレイ @突撃チョッキ
特性:鉄の棘
性格:勇敢
実数値:181-160-151-×-137-20(S個体値0)
努力値:252-252-0-0-4-0
技構成:パワーウィップ / ジャイロボール / 叩き落とす / 種爆弾
◆役割
トリルエース。ミロカロスとの相性の良さは構築経緯で示した通りです。トリルターンを無駄にしたくないので火力を最大限まで高めました。
突撃チョッキである理由は不意に飛んでくる特殊炎技で倒されないようにするため、またニンフィアやロトムといった特殊アタッカーに後出しすることが少なからずあり、その際の被ダメを抑えたいためです。
◆特徴的な技
・種爆弾
練習段階でパワーウィップ外しによる負けが見受けられたため、命中安定の草技として採用しました。ウィップじゃないと倒せない場合でも、外すリスクを考え種爆弾を選択することもあります。
ウインディ @拘り鉢巻
特性:威嚇
性格:陽気
実数値:166-162-100-×-100-161
努力値:4-252-0-0-0-252
技構成:フレアドライブ / ワイルドボルト / インファイト / 神速
◆役割
基本的にトリルが終わった後、あるいはトリルをする前に着地させます。前者の場合は神速で削り残した相手を一掃するプレイを、後者の場合はフレドラ等高火力技でパワーを押し付けるプレイをします。トリル中の着地は考えておらず、上からできる限りのポケモンを縛りたいのでASぶっぱとしています。持ち物はそのような理由で全ての技の縛り性能が向上する拘り鉢巻となりました。
また特性:威嚇はパーティ単位で物理耐久<特殊耐久であるため、物理耐久の低さを補う意味でもかなり仕事をしてくれます。
◆特徴的な技
・神速
やむを得ずトリルターン中に着地させたとしても、この技があるおかげでそこまで気になりません。優先度+2なので相手の悪戯心持ちが何かする前に攻撃できる点も魅力的。
ドラパルト @弱点保険
特性:クリアボディ
性格:意地っ張り
実数値:195-176-96-×-102-168
努力値:252-156-4-0-52-44
技構成:ゴーストダイブ / ドラゴンアロー / 鋼の翼 / 守る
A:余り
D:C152ドラパルトの眼鏡流星群を確定耐え
S:最速100族抜き
◆役割
ミロカロスの次にDMエース。先発率は100%ですが、ミロカロスとはDM権を奪い合うので同時選出はしません。相手のポケモンが中速以下で固まっていた場合に積極的に選出します(逆に高速ポケで固まっていたらミロ+トリルが刺さります)。そんな訳で素早さをかなり落としHAベースとしました。
ドラパルトの弱点はメジャーなタイプが多い為、弱点を突かれる頻度が高いことを考慮し持ち物を弱点保険としました。逆に弱点を突いてこなければ、それはそれで倒される心配がないので問題ありません。
一応ミミッキュドラパルトと並んだ際に味方影うち+弱点保険コンボもできますが、ダメージが大きすぎるため狙うことは殆どないです。
◆特徴的な技
・ドラゴンアロー
全体技のような扱いができ、常に守らない相手に攻撃してくれるためドラゴンクローと違い読み合いを軽減できます。
・守る
この構築の中で唯一の守るです。ドラパルトはその脅威的な性能からヘイトを集めやすいポケモンですので集中を受けることも少なくないため、そういった時に守るを使用することで大きなアドバンテージを得ることができます。
単純に相手の追い風ターン・トリルターンを凌げる技としても優秀。
【選出パターン】
[ガチトリル]
選出対象:エルフーン系統全般 / バンドリドラキッス / 高速ポケ中心
初手ミロカロスをDM、サマヨールはトリルをしにいきます。相手にドラパ等ゴーストor悪タイプが見えた場合そのポケモンがDMする場合が多く、サマヨがトリルできず倒される可能性が高いです。そのためそういったポケモンをDMミロカロスで真っ先に処理しにいき、後発ミミッキュのトリルを成功させることを意識します。
トリルが成功したらひたすら攻撃し、相手の盤面を荒らします。こちらはトリル0ターン目から攻撃しているに等しいため、トリルターンが終了する頃には勝ち確定の盤面になっているかと思います。
[スイッチトリル(先発型)]
選出対象:悪orゴーストタイプがいない相手 / 威嚇の通りがいい相手
やることはガチトリル型と一緒です。悪や霊タイプがいない相手は高い可能性でサマヨのトリルが決められるため、パワーを高めるべくウインディを選出します。トリル中にDMミロやナットで暴れ、トリルターンが終わる頃に着地させられればベストです。
トリルターン中でも物理アタッカーに対し、ウインディを投げ威嚇を撒くことでエースが倒されなくする、といった使い方もできます。
(ガチトリル/スイッチトリルのいずれの場合においても、ミミッキュとサマヨールの順番が入れ替わることがあります。例えばvsエルフリザを相手にする際、日本晴れ+キョダイゴクエンでサマヨールが一撃で倒される恐れがあるためミミッキュ+ミロカロスから入ります。)
[スイッチトリル(後発型)]
選出対象:中速以下で固まっている相手全般
この選出ができたときは負ける気がしません。DMドラパルトのダイホロウで相手のBを下げておくことでウインディで縛れる範囲が広がり、またミミッキュの影打ち圏内に入りやすくなり、トリル中ならナットレイの制圧力がぐんと上がります。
相手に威嚇が見えた場合は物理アタッカー×4選出は少々厳しいため、ミミッキュではなくサマヨールを選出します。
【改善?点】
勿論これで完成形だと私は思っていますが、悩んでいた点を紹介しておきます。
・ミミッキュのリリバのみ
ミミッキュのリリバは確かに型破りドリュの前で動かせますが、構築的にドリュウズに強いためリリバである必要がそこまで感じられませんでした(実際発動した頻度はかなり少ない)。
じゃれつく外しによる負けを阻止できる広角レンズ、影打ちで縛れる範囲を広げられる呪いのお札を持たせるのもまた強いかもしれません。
ナットレイのSをサマヨール+1にするとトリル中に黒い霧でAダウンを戻しつつ攻撃や、痛み分けで相手のHPを削ってから攻撃といった面白いプレイができるようになります。
結果としてジャイロボールの威力を優先し、S個体値を0としました。
【最後に】
ここまで閲覧いただきありがとうございました。かなり練習した構築なので結果を出せて嬉しいです。
シーズン4からキョダイマックスや一部ポケモンが解禁され環境が変化するとは思いますが、サマヨミロナットの安定感は揺るがないのでぜひ一度使ってみて下さい。
JCSの予選で1位とったのは実はこれで三回目です(2018:INC January 1位 / 2019:INC February 2位(日本順位1位))。今年のJCSも優勝して三連覇決めていきたいですね。現段階では開催されるか怪しいですが...