皆さんこんにちは、カ・エールです。
今回は横浜で行われたWCS2023にて22位を記録したトルネウーラを紹介していきます。
(22位と書くとTOP32よりも強そうに見える!)
DAY1:×〇〇×〇〇〇の5-2で抜け
DAY2予選:〇〇×〇×〇〇の5-2でトップカット進出
DAY2トップカット:×(じーんに1-2で負け)
【構築経緯】
まず、机上論でトルネロス+水ウーラオスの対策が不可能という結論に至りました。
どういった考えがあったのかというと、
・トリルで対策→挑発で阻止
・草タイプで対策→トルネのこがらしあらしが抜群で入る
・カイナのような高耐久で対策→雨乞いテラ雫水流で倒される
・水タイプで対策→強いポケモンがウーラオスとギャラドスしかおらず、彼らではウーラオスを止められない
といった具合です。唯一、水テラカイナが対策としてよさそうですがテラを切らされてしまうのが個人的に嫌だったため採用に至らず。
というわけで、トルネ+水ウーラから構築を組むことにしました。
トルネウーラから構築を組み始める上で意識すべきはトルネウーラミラー。オープンチームシート(以下OTS)では相手の挑発のあり/なし及び、メンハのあり/なしがわかるためランクマルール程不毛にはなりません。
なのでミラーではトルネウーラを対策したトルネウーラをぶつけて互角以上に持っていきつつ、取り巻きで差をつければ十分いい勝率を叩き出せると感じました。
取り巻きを決めていくにあたり、追い風構築は先制技に弱いことを考慮して、まずは先制技持ちを複数採用することに決めました。ここは時間もかからず、パオジアンとヒスイウインディを採用しました。
:災いの剣で味方の先制技の強化をしつつ自身も不意打ちを打てる。
:威嚇で相手の先制技の威力を下げつつ、先制技の神速が打てる。
ウインディに関して初期は原種で使っていましたが、全体技が打てる点を評価して結果的にヒスイの方を採用しました。全体技持ちは一匹でも多くいると、不必要な読みの排除及びダメージレースで優位に立てます。
ここまでの4体で相手の水テラに対する打点が足りないこと、ガチグマ+クレセリアに勝てるビジョンが見えなかったためゴリランダーを採用。水テラに対してはグラスフィールドの補正が乗ったウドハンを、ガチグマクレセリアに対しては猫騙しでトリルターン稼ぎ&グラスフィールド展開によりガチグマからの地震を弱体化させられるため、相当強く出られます。ねこだましを霊テラで透かしてくるようなガチグマにはパオジアンの不意打ちが通るのも◎。
ここまでの5匹で重いのが
・クレセリア:誰も弱点をつけないため、三日月の祈りを連打されると突破できない可能性
・モロバレル:現状トルネロスの挑発でしか対策できていないため、上手くかわされて胞子をされてしまうときつい
・壁:誰も積み技を打てない+壁ターンを遅延する手段が猫だましぐらいしかない
というわけで、最後の6匹目にはまず悪巧み水テラサーフゴー@残飯を採用しました。上記3つを綺麗に解決できてますし、残飯+グラスフィールドの強さは知っていたため採用に納得していました。
しかし、いざ使ってみると水テラを切らされた後のカイナが重い&素早さが高くないため、せっかく悪だくみを積んでも相手にとってそれ程脅威ではありませんでした。トルネロスを裏に控えておけば一応後者の弱点はカバーできますが、選出が固定されてしまうのは立ち回りの柔軟性を欠いてしまいます。
なので別のポケモンを模索するわけですが、最終的にたどり着いたのが草テラ瞑想ハバカミでした。寿司が減っていたことに伴いバレルのクリスモ持ちも減り、私しか使っていないため対策はされにくくかなり刺さっていたと思います。
副産物として、立ち回りが安定していなかったvsグレンアルマイエッサンに対しても高い勝率を出すことができるようになりました。
こうして6匹が完成。トルネ軸で上から攻めるプランとパオ軸で先制技を通すプラン、ハバカミウイン軸でサイクルするプランを使い分けられるため、BO3にかなり適した構築だったと思います。
DAY1からの参加ということでvsメジャー構築は勿論としてvsイエアルマやvs寿司のようなマイナー寄りな構築相手にもいい勝率を出す必要がありましたが、この構築は対応範囲が広いためそういった相手にも十分戦っていけます。
【個別解説】
トルネロス(テラスタイプ:霊)@ゴツゴツメット
特性:いたずらごころ
性格:おだやか
実数値:186-×-102-146-128-135
努力値:252-0-92-4-132-28
技構成:こがらしあらし/おいかぜ/あまごい/ちょうはつ
B:A200雫ウーラのすいりゅうれんだを確定耐え
D:C187ハバタクカミの眼鏡テラムンフォを最高乱数以外耐え
S:1段階ダウンしてても追い風時、最速トルネ抜き
サポーター。ウーラオスと並んだ時が動きとして一番強いため、技構成も横のウーラ用に特化しています。
ゴツゴツメットはOTSで輝くアイテムで、見せびらかしておくと水ウーラに殴られなくため行動が読みやすくなります(殴ってきてもそれはそれで削れるのでok)。なおゴツメはあくまで水ウーラの牽制用として採用しているため、Bは最小限にしてDに厚く振りました。相手がゴツメ=HBの前提で行動してきた場合はプランを崩したりもできます。
こがらしあらしの命中不安ですが、サポートがメインなので火力にそもそも期待していなかったり、また雨乞いを予め打っておけば必中にできるため気になりません。
雨乞いは構築単位で重いコータスを実質機能停止にできる他、ウーラの水流連打の火力上昇、相手の日本晴れに対する切り返し手段として採用しました。
水ウーラオス(テラスタイプ:水)@しんぴのしずく
特性:ふかしのこぶし
性格:いじっぱり
実数値:179-200-123-×-82-142
努力値:28-252-20-0-12-196
技構成:インファイト/すいりゅうれんだ/まもる/アクアジェット
B...わざわいの剣込カイリューのテラハチ神速確定耐え
D...水テラ時、C187眼鏡ハバカミのテラシャインを上から二つ切って耐え
S...追い風時、1段階上昇した最速トドロクツキ抜き
アタッカー。水流連打の火力は破格で、雨下であればテラ雫水流連打で殆どのカイナを、そこに災いの剣も加わるとHBクレセが飛びます。確定急所なので威嚇の影響を受けない点も素晴らしい。
個人的にはアクアジェットもかなり評価しており、パオジアンと並べることにより不意打ち+ジェットで相手の追い風エース/トリルエースを大体上から縛れます。
パオジアン(毒)@いのちのたま
特性:わざわいのつるぎ
性格:いじっぱり
実数値:159-189-102-×-86-182
努力値:28-252-12-0-4-212
技構成:つららおとし/せいなるつるぎ/まもる/ふいうち
H...10n-1
B...A204カイリューの鉢巻テラ神速を最高乱数以外耐え
S...最速トルネ抜き抜き抜き
アタッカー。構築が前のめりな以上、相手に倒される前に倒す必要があったため持ち物は火力強化アイテムとしています。
毒テラスはパオジアンにとって優秀なテラスタイプで、ハバカミのフェアリー技/ゴリラの草技を半減にできます。しかも弱点が2つしかないので、パオジアンの耐久も相まって等倍以下なら一発は受けられます。
珠を持つことにより、耐久に振ったハバカミやゴリラをつららおとしで、また耐久に甘い悪ウーラを聖なる剣で確1にできます。不意打ちのリーチが伸びるのも強力。
タスキを持たずとも「元々の耐久+毒テラによるタイプ受け+ゴリラのグラスフィールド展開による珠ダメ相殺」があるため、場持ちはかなりいいです。
ゴリランダー(テラスタイプ:鋼)@とつげきチョッキ
特性:グラスメイカー
性格:いじっぱり
実数値:206-178-115-×-96-112
努力値:244-132-36-0-44-52
技構成:ねこだまし / ウッドハンマー / じだんだ/ とんぼがえり
A...A200水ウーラの水流連打確定耐え調整カミ(H148-B107)をウドハンで最低乱数以外確定
B...A200鉢巻ウーラのインファを最高乱数以外耐え
D...2n(チョッキの効率がよくなる)
S...追い風時スカーフいじウーラ抜き/1段階Sダウンした100族まで抜き
アタッカー兼サポーター。メインの役割は受け出し+猫騙し+とんぼによる削りのため、火力を最低ラインに落としてできるだけ耐久に振りました。
グラスフィールドは味方が回復できる一方で相手も回復してしまうのがネックとされがちですが、この構築ではパワーが高く相手を一撃で倒すことが多めのため、実質的にこちらだけ恩恵を受けることが多いです。
テラスタイプの鋼は相手のドラゴ/眼鏡サーフゴーを意識しています。サーフゴーに対しては横を守らせつつ、鋼テラを切りながらウドハンor地団駄を打つと有利な展開に持っていきやすいです。草と鋼で一貫する炎技はトルネの雨乞いでケア。
ハバタクカミ(テラスタイプ:草)@ブーストエナジー
特性:こだいかっせい
性格:おくびょう
実数値:162-×-96-166-156-171
努力値:252-0-164-84-4-4
技構成:めいそう/まもる/マジカルシャイン/シャドーボール
B:...A200水ウーラのすいりゅうれんだを最高乱数以外耐え
C...2n(瞑想積んだ時の効率がよくなる)
D...2n(瞑想積んだ時の効率がよくなる)
S...特になし(ブーエナでS上昇)
裏アタッカー。選出率は低めですがvsバレル、vsアルマイエッサンで重宝します。
ハバカミを通すときはウインの威嚇、ゴリラの猫騙し&グラスフィールドのサポートを受けて瞑想を積みます。瞑想積む→シャインで雑に削る→ウインの神速やウーラのアクジェで〆の動きが強力でした。(逆に、先制技で全員シャイン圏内にいれてからハバカミを通すのもok)
ブーエナを持つことで相手のブーエナ以外のハバカミの上から瞑想できたり、スカーフウーラに縛られなくなります。
ヒスイウインディ(テラスタイプ:ノーマル)@こだわりハチマキ
特性:いかく
性格:いじっぱり
実数値:179-183-101-×-101-133
努力値:68-252-4-0-4-180
技構成:しんそく/フレアドライブ/いわなだれ/もろはのずつき
H...6n-1
B...A172パオのせいなるつるぎを上から2つ切って耐え
S...4振りボルト抜き
アタッカー。ノマテラ鉢巻神速のパワーはいわずもがなですが、ヒスイウインの真の強さは雪崩にあります。
全体技+タイプ一致+鉢巻の高火力を押しつけつつ、怯みによる運勝ちも狙えます。カイリューと違って打ちやすいメインウェポンが充実しているため、テラを渡さずとも十分活躍していけます。
技構成は神速/フレドラ/雪崩で完結しているため、最後の一枠には諸刃の頭突きを採用しました。命中80と不安ですが威力150と破格のため、不利盤面を捲る手段として使います。
【選出】
[基本選出]
先発: 後発:
物理*4を選出することで、パオジアンの災いの剣をフルに活用しダメージレースで優位に立てます。初手パオウーラの不意打ち+アクジェで相手を常に縛るプランでも、ゴリラウインウーラでサイクル→パオのふいうちで一掃のプランでも戦っていけます。
[追い風ミラー]
先発:後発:
互角~ちょい有利。トルネウーラ同士を戦わせた後、裏のパオとウインの先制技で〆。相手が初手ハバカミトルネを出してきた場合は、一旦ウーラをウインに引いてお茶を濁します。
[ガチクレセ]
先発:後発
有利。クレセカイナから入ってきた場合、つららと水流連打をカイナに集中。どっちか通れば、トリルを決められても次のターンふいうち+水テラアクジェで縛れます。
相手のガチグマに関しても霊テラであればパオの不意打ち+ウーラのアクジェで上から倒せますし、霊テラ以外であれば猫騙しが通ります。
[モロバレル入サイクル]
先発:後発:
互角~ちょい有利。ハバタクカミを全力で介護したのち、ハバカミとウインorウーラを並べて倒していきます。瞑想積んだあとのハバカミでシャインを連打しつつ、横のポケモンが足りないダメージを補うイメージ。
【最後に】
久々に世界実績を残せて嬉しいです。(2019以来)
構築の完成度に自信アリだったのでTOP4以上までいきたかったですが、DAY1で2-2スタートだったことを顧みれば満足な成績。
来年も世界大会に出場できるよう、日々頑張っていきます。
宣伝:youtubeにてメンバーシップを始めました。ポケモンの調整を提供していたり、配信外の対戦を載せたりしています。よかったら入ってね。
youtubeチェンネル→https://www.youtube.com/channel/UCaV57jnFr4XFX3SaC2r0nYw/featured